乳がんとは?

  • 乳腺の病気には大きく分けて「良性腫瘍」と「悪性腫瘍」があります。悪性腫瘍が「乳がん」と呼ばれるものです。
  • 女性では罹患率第1位となっており、最近では日本人女性の12人に1人が乳がんを発症するといわれています。
  • しかし死亡率は全体(女性)の第5位であり、
    ステージⅠ期(早期がん)では5年生存率は90%以上と、予後が良い疾患でもあります。
  • そのため、早期発見・早期治療が大切といわれています。
  • 「がん」に関する最新の統計情報は、下記の「国立がん研究センター」様HPをご参照ください。


乳がんの症状は?

乳がんは、身体の表面近くに発生するため、「自分でさわって見つけることができるがん」と言われています。一方で、検査をしないとわからないがんもあります。

ここでは、自分で発見できる症状を紹介します。

  1. しこり
  2. 皮膚のへこみ
    • 乳がんが皮膚に近いところにある場合、皮膚が内側に引っ張られてエクボのようにそこだけくぼんだ状態になる。
    • くぼみが小さいうちは、腕を挙げたときにだけ現れることがある。
  3. 皮膚のただれ、潰瘍
    • がんが皮膚まで達し、皮膚がくずれて内側まで見える状態。
  4. 乳頭のかゆみ、湿疹
  5. 乳頭からの異常分泌
    • 妊娠中や授乳中でもないのに乳頭から分泌物が出てくる。
    • 原因としては良性の疾患(乳管内乳頭腫や乳腺症)である場合が多い。
    • 血液が混じっている場合は、注意が必要。
  6. その他、わきの下のしこり、乳房全体の発赤、むくみなど

乳がんになりやすいと言われているのは?

以下のような方は、乳がんのリスクが高くなる可能性があるといわれています。

  • 初潮年齢が早かった方、または閉経年齢が遅かった方
  • 出産経験のない方、または初産年齢が遅かった方
  • 授乳経験のない方
  • 閉経後、肥満体型の方
  • 飲酒量の多い方
  • 家族に乳がん経験者がいる方(家族歴)

予防法はありますか?

乳がんにならない生活方法は、残念ながらありません。
サプリメントや大豆イソフラボンの効果に関しても、確実にリスクを減少させる結果は得られていません。
ただ、肥満体型の方が乳がんを発症しやすいという結果は出ています。食生活の欧米化や飲酒・喫煙習慣が関係しているともいわれています。食生活の改善、適度な運動を心がけましょう。
また、免疫力を上げるためにも、ストレスをためない生活習慣や環境を整えることが大切です。


乳がん検診について

厚生労働省が推進しているがん検診の内容は以下の通りです。

  • 対象:40歳以上の女性
  • 受診間隔:2年に1回
  • 検査方法:問診・マンモグラフィ
    自治体によっては、視触診を行う場合もあります。
    1. 問診・・・次のような質問があります。
      • 年齢
      • 既往歴(過去にどんな病気にかかっているか)
      • 生理周期など月経の状況
      • 妊娠・分娩・授乳歴
      • 家族歴(家族にがんになった人がいるか)
      • 検診の受診歴
    2. マンモグラフィ
      • 乳房専用のエックス線撮影装置を用いた検査です。
        乳房を板ではさみ、薄くのばして撮影します。
      • 視触診ではわからない小さなしこりや、石灰化を伴う小さな乳がんの発見に有用です。
    3. 視触診・・・医師が直接乳房を観察、実際に触って診察します。
      • くぼみやひきつれがないか?
      • しこりがないか?
      • リンパ節が腫れていないか?
      • 乳頭からの分泌物がないか?

対象年齢や検査方法、費用などは、各自治体により違いがあります。
電話等で直接お問い合わせ下さい。

秋田県内・乳がん検診を実施している自治体 一覧


自己検診のすすめ

  • まずは、自分の乳房を知りましょう!
    乳房は、正常でも大きさ・硬さ・形・乳頭の形など、一人一人違い、左右差や年齢差もあります。
    はじめのうちは、何日か続け、自分の乳房の状態を覚えましょう。
  • 定期的に、続けることが大切です!
    その後は、月1回を目安に、自己触診を継続してください。
    生理が終わったあと、1週間くらいがベストです。
    閉経後の方は、毎月1回、日にちを決めて行ってください。
  • キーワードは『見る』『さわる』『しぼる』

見る

1.鏡の前で自然に立つ

1.鏡の前で自然に立つ

  • 鏡の前で両手を下げて自然に立ち、左右の乳房の大きさ、乳首に変化がないかチェックしましょう。その後、前かがみになったり後ろにそったりして、くぼみやひきつれがないかチェックしましょう。


2.バンザイをするように手を広げる

2.バンザイをするように手を広げる

  • 次にバンザイをするように両手を広げて乳房のくぼみ、ひきつれがないかチェックしましょう。


さわる

3.円を描くようにさわる

3.円を描くようにさわる

  • 入浴の時に乳房のしこりを調べましょう。
    乳房と反対側の手の指を4本そろえて、指の腹で小さな円を描くように触ります。
  • 石鹸をつけるとすべりがよくなります。
  • 乳頭を中心にうずまき状に動かしましょう。


4.縦横に格子状に手を動かす

4.縦横に格子状に手を動かす

  • 次に、触る方向を変えて縦横に格子状の線を描くように手を動かしてみましょう。
  • 表面をなでるだけではなく、時々圧迫を加え、しこりを探す意識で触りましょう。
  • 乳がんのしこりは一般的に硬く境界がはっきりしないことが多く、痛みを伴わないことが多いです。


しぼる

5.乳頭の周囲をつまむように押す

5.乳頭の周囲をつまむように押す

  • 乳頭の周囲をつまむように押して、分泌物がないかどうか調べましょう。
  • 血液が混ざったものや、茶褐色のものは要注意です。一度受診を検討してください。